- ならし
- I
ならし(連語)〔断定の助動詞「なり」に推量の助動詞「らし」の付いた「なるらし」の転〕(1)推量の意を込めた断定を表す。 …であるらしい。
「新(アラタ)しき年の始めに豊の稔(トシ)しるすと~らし雪の降れるは/万葉 3925」「是に稲つみたるをやいな船といふ~らし/奥の細道」
(2)推量の意味が薄くなって, 断定をやわらげた表現として用いる。 近世文語に用いられる。II「例の口に任せたるにもあらず, 窃(ヒソカ)により所ありつる事~らし/炭俵」
ならし【平し・均し】(1)ならすこと。 たいらにすること。 平均すること。「~で百円」
(2)衣服などを掛けるために壁にそってつるしておく竿(サオ)。 かけ竹。 ならし竹。IIIならし【慣らし・馴らし】(1)ならすこと。 練習。「~運転」「~に一矢づつ射て見候はん/太平記 17」
(2)ならわし。 習慣。「宇治勢多~に馬筏を組んで渡して/盛衰記 34」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.